日本産科婦人科学会学術講演会 産科学及び婦人科学の進歩・発展に貢献するために
日本産科婦人科学会学術講演会

シンポジウム

第72回学術講演会シンポジウム課題

シンポジウム課題は、平成30年度臨時総会で承認されました。課題担当者公募の詳細につきましては、日産婦誌 第70巻 第8号に掲載予定です。

シンポジウム1(腫瘍)
課題名:「婦人科腫瘍・類腫瘍の生物学的特性を標的とした新たな治療薬の開発」

〔解説〕
ヒトゲノム情報の解読が完了し、様々な疾患に対する新規薬剤の開発に劇的な変化が期待されたものの、婦人科がん、子宮筋腫などの婦人科腫瘍や子宮内膜症の領域では十分な効果を有する薬剤が得られたとは言いがたい。
膨大な数の化合物を一つずつ調査していた従来の創薬プロセスから脱却し、今後は腫瘍の生物学的特性に関連した遺伝子やタンパク、シグナル伝達経路、代謝経路を標的とした創薬が必要とされている。加えて、標的分子の発現、遺伝子変異の有無やゲノム、エピゲノム情報などを調べ、治療の有効性や有害事象を予測するための診断薬の開発もこれからの創薬研究には欠かせない。さらに、ゲノムデータベースの活用により見いだす独創的なアプローチや、既存薬から新たな薬効を明らかとし実用化に繋げる手法も期待されている。
そこで、本シンポジウムでは良性、悪性を問わず婦人科腫瘍性疾患に対する創薬に向けた研究、特に新しい治療薬開発に関する最新の成果から、近未来の婦人科腫瘍・類腫瘍に対する新たな治療薬の可能性を展望する。
〔キーワード〕
婦人科がん、子宮筋腫、子宮内膜症、創薬研究、分子標的薬、抗体医薬、ドラッグリポジショニング、ゲノム創薬、エピゲノム、コンパニオン診断、データベース解析

シンポジウム2(周産期)
課題名:「インタクトサバイバルを目指す新しい診断・治療のアプローチ」

〔解説〕
近年、合併症妊婦や高齢妊婦の増加により、早期の分娩を余儀なくされる症例が増加している。早産児の生命予後の改善は見られるもののインタクトサバイバル率は充分とは言えず、その限界に挑戦する様々な試みがなされてきている。診断におけるバイオマーカーは、胎盤の機能を示すものとしての生化学的マーカーや、炎症性マーカー、サイトカインの推移を通じて早産予知に応用されるなど、主として胎児胎盤系マーカーに焦点が当てられてきた。一方、胎児の健常性については従来の画像診断に加えて、胎児に由来し母体血中を流れる新しいバイオマーカーが注目を浴び、症状が出現する前に周産期疾患の発症を予測し、予防策を講じることが始められている。さらに生育限界に対する新しいアプローチとしての人工子宮や幹細胞治療などの試みもみられる。
そこで本シンポジウムでは、インタクトサバイバルを目指し、新生児の予後改善へ向けた研究を募集する。
〔キーワード〕
バイオマーカー、早産、妊娠高血圧症候群、胎児発育不全、子宮内胎児環境、生育限界、インタクトサバイバル、人工子宮、人工胎盤、低酸素脳症、幹細胞